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「お母さんがボクの頭は悪いって」

Aloha!

衝撃的なタイトルですが、実話を元にしています。

そろばん教室で教えていて、
いつもと様子の違う子がいました。

「なんか、今日はいつもと違うみたいね。
 どうしたの?」
と聞くと、その子は悲しそうな顔をして
小さく首を振ります。
「ん?いつもと違うと思うよ。
 私の勘違いかな?」
頷く子ども。
「そうかぁ。勘違いか。笑」
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(年長女子の色ぬり 大人よりうまい)

少しすると
手が止まっていてやる気が起きない様子。
問題を読み上げてやると、
ちょっと楽しそうに弾きだしました。
「こういうの、読み上げ算って言うんだよ。
 読み上げ算は、耳で聞いてやるでしょう?
 耳の良い子は頭も良いんだよ。」
するとその子はまた首を振ります。

「?どうして首振るの?」
「お母さんが、ボクの頭は悪いって言った」

なんということでしょう!
なんてふざけている場合ではありません。

私はその子の目を見て言いました。
「それは、お母さんが間違っているよ。
 〇〇くんの頭は悪くないよ。
 それどころか、とってもいい頭だよ。」
もう一度、その子の両手をとって言いました。
「いい?〇〇くんは、
 とてもいい頭を持っているんだよ。
 誰が何て言っても、ぜったい」

*******

お母さんが直接そんなことを言ったとは思えないのですが、
子どもがそう受け取ったことは事実です。

どのような対応が
子どもにそう思わせたのかはわかりませんが
こんな悲しいことを
まだ小さな子どもに言わせてはいけません。

この子のお母さんに直接話そうかと思いましたが
この子だけでなく
そう思っちゃった子って
意外とたくさんいるんじゃないかと思ったのです。
(もちろん、あとでお話ししようと思います)

数年前にも、いえ、去年も一昨年も、
似たような、勇気をくじかれた子がいました。

お父さん、お母さんたちが
一人でも多く
我が身を振り返ってくたらいいなと思い、
ブログに書くことにしました。

自分の何気ない言葉や
瞬間的な感情的な対応が
子どもにどう影響しているかを
いつも考えてください。

私は子どもの味方であると同時に
その子どもを取り巻く大人の味方でもありたいと思っています。
お子さんとのやりとりで
迷ったときはいつでも私を思い出してください。

お父さん、お母さんを責めたいのではありません。
一緒に考えていきたいのです。
子どもがその子らしく
のびのびと能力を伸ばしていく方法を。

******

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この、赤と黄色のシール、
どうしちゃったと思いますか?

この子は
初めてのドリルに付いていたシールを
どうすればいいかわからなくて、
細切れにちぎっちゃったんです。

そのあとで、
私が気づき
「あ、これね、裏側がシールになっていたんだよ。
ほら、こんな風に」
って言って、
でも私ももうお婆だから裏紙がめくれず。
色紙を同じ形に切ってあげようかと思い
他のところを先にやっておくように言って
少しその場を離れたら、
小さくちぎったそれを
モザイクのように綺麗に敷き詰めていたのです。

そばで見ていた他の子も
「すごいねぇ」
「私だったら泣いちゃう」
「泣かないけど、やめちゃう」
など、口々に賞賛していました。
この子の状況対応力、諦めないココロ、
解決力、図形認識能力、手先の巧緻性
素晴らしいです。
そしてまた、周りの子どもたちの
素直で優しいほめ言葉。
なかなか同じようにはできません。

*******

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こちらは
ママさんと私がお話ししている間、
お絵かきをして待っていた
年長女子の作品。
わかる人にはわかる。
あの人たちの衣装です。
「見ないで描いたの?」
「見るわけないじゃん!
 覚えているんだよ、頭で!」

いろんなことがある教室です。
いろんな子がいる教室です。
どの子も、かけがえのない地球の宝です。
未来の光の花です。


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Love is like a flower – you've got to let it grow.
愛は花のようーあなたはそれを成長させなければならない
(ジョンレノンの名言)


お読みいただきありがとうございました。

Mahalo!






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プロフィール

池田彰子

Author:池田彰子
アドラー心理学、日常、ココロの中などを綴っていこうと思います。